整った顔は、この暗がりでもはっきりとわかる。 思わず見惚れてしまうほど。 「なに?なんかオレの顔についてる?」 「ついてない」 いけない。 見惚れてる場合じゃない。 早くここから立ち去らないと。 「離してくれない?」 「質問に答えたらな」 決して高くはない彼の身長。 少しだけ見上げるかたちになり、見下されるかたちになる。