オレのパーカー着ろよ。




なに?───と聞くよりもはやく、お兄ちゃんが口を開いた。



「お前の言ってた宮岸玲於。あいつ、双子だろ」



──────ドサッ



持っていた鞄を、落としてしまった。


これじゃ肯定してるのと変わらないじゃん。



「なんで隠してたんだ」



「別に隠してなんか……」



いや、隠してたけど……


理由なんて、特にない。


なんとなく、隠してしまったんだ。


言いたくなかったんだ。