「じゃあ、いいや。ばいばい」
知らないならもう用はない。
あたしはクルリと方向転換し、歩き出す。
そんなあたしを引き留めるかのように、男たちは声をかけてきた。
「ちょ、それだけ?」
少し不機嫌そうに男は言う。
「うん。それが聞きたかっただけ」
「オレたち、もうヤる気満々なんだけど」
ガシッとあたしの腕を掴む。
あたしは自然と眉間にシワが寄った。
なに、汚い手でさわってんの。
しかも、あたしはヤる気なんてない。
「離して」
「嫌だね。オレたちに声かけたのが悪かったと思えよ」
「そうそう。残念でした、ってな」

