「知らない」 「わかった。……ったく、どこ行きやがった」 頭を掻きながら廊下を歩いていくお兄ちゃん。 その後ろ姿を見つめながら、叶多が心配になる。 何かあったのだろうか。 もしかして、拉致られたとか──── 自分の席に戻ると、女子の群れが押し寄せてきた。