今、木戸くんと廊下を歩き中・・・
 木戸くんに話してみようかな。

「木戸くんってポディションどこ?」
 よし!話せた!!

 「オレ、MFだけど・・・。サッカー詳しいの?」

 えっ、逆に聞かれた。えっとーなんか言ったほうがいいよね。

 「あまり、詳しくないんだけど・・・。いつも、美術室からサッカーが見えるの。ちゃんと木戸くんも見てるよ。」

 私、なに言ってるんだろう。はずかしい。

 「オレも見てくれてるのか・・・もっと頑張らなきゃだな。」



その後、木戸くんとはしゃべらなかった。

 数学のとき、私は、プリントが早く終わった。実は、自分で言うのもなんだけど、こう見えて頭が良いんだ!小学校のときからずっと頭だけは良くて・・・。

 「東、早く終わったなら、あのバカに教えてやれ!」と先生。
 「やめろよ先生。」

 みんなは大爆笑。でも、私は嬉しいけど恥ずかしかった。



 そのバカとは木戸くんのこと。
 木戸くんはクラスで一番「おバカ」さんなんだ。

 でも、木戸くんに教えてあげないといけないよね。
 

 その後、木戸くんにちゃんと教えてあげた。

 ♪キーンコーンカーンコーン♪

 数学が終わった。一安心。
 木戸くんが近寄ってきて、
      「東さんの教え方、分かりやすかった。サンキュ!!」

 顔が赤くなるの抑えていたのに、赤くなっちゃうじゃん!!
 でも良かった。木戸くんがそう言ってくれて。