俺が心配するような素振りを見せると、“なんでもない”って、笑ってごまかす



その笑顔も、無理をしているようで




「涼川」



「なに?」



「……なんでも」



「なにそれ。…あ、そう言えば、兄さんが正月から3日くらい暇がとれるみたいなことを話してたわ」



「ああ、じゃあその頃に挨拶に行こうかな」



「来ても良いけど、わたしの部屋、覗かないでよね?」



「誰が覗くか」




いつもの涼川に戻った気がして、ホッと息をつく



そのまま普通に話せると思って口を開いたとき、急に扉が開いて、中年の男が入ってきた