「親の愛情は、誰だって欲しいんだ。いくら兄妹に愛されたって、足りないって、少なからずそう思うはず。おかしいことなんて、ない」
「…ん」
「だから、泣き止め」
「……へたくそね。もっとましな言い方あるでしょう?」
「…言えると思うか」
「あなたは無理ね」
俺の胸に頬をすり寄せる涼川は、クスクス笑う
そんな涼川がどこか愛しく思えて、そっと、艶のある黒髪に指を絡ませた
…絡ませたけど、感覚はなくて
やっぱり、透けて
涼川はここに居るのに、なぜか少し寂しくなって
気付いたら
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