「お前、なにもされてないか?」



「……どういう意味で?」



「財閥」



「あぁ、しばらくは安泰よ。対策は色々仕込んであるから大丈夫。困るような裏もなにもないし」



「…お前んちって、俺んとこと契約してる?」



「してるわ。タヌキのおかげで利益が増えて助かってる」



「親父と春馬さんってどこで会ったんだ?」



「……1年半くらい前のパーティーでベロベロに酔ったタヌキに絡まれたんだって」



「………」



「いい父親ね」



「そう思ってんだったら、その生温かい目はやめろ」




涼川はフフッと笑って、俺の正面のソファに座り直す