眠った彼女はよく喋る





「僕は少しの間固まってたみたいで、すぐ後に来た沙夜の叫び声で、ようやく動くことが出来た。


…殴ったよ。親父を。


親父の秘書に止められるまで殴った。沙夜は震えてる美織に自分の上着を掛けて、僕の肩を支えてくれて。


怒りはまだあったけど、何より美織が心配で。美織の方を振り向いた。


…本当に、親父を殺したくなった。美織は、身体中に青あざがあった。古いものから新しいものまで。


“いつから?”って問いかけたら、僕が大学に通い始めた頃からって。


“殴られただけ?”って聞いたら、あんなことは今日が初めてって。


僕は美織を強く抱きしめてから、沙夜にお風呂を頼んで、部屋を片づけた。そこからは、特になにもなかった。」




そっと、ベッドに腰掛けている涼川を覗いた



涼川は、震える声で話す春馬さんを見て、静かに泣いていた