眠った彼女はよく喋る





春馬さんに話を振られた沙夜さんは、ふんわりと微笑む




「その頃から沙夜さんと?」



「幼なじみだったんだ。美織を挟んで夫婦みたいに寝たこともあるし、沙夜が美織を風呂に入れたりもしたんだ」



「5歳になるまで“ママ”って呼ばれてたわね」



「僕は“お兄ちゃん”だったのに」



「いいじゃない。それより話してあげて」



「あぁ。…僕と美織は10コ年が離れているんだ。高校に上がれば否応なく仕事が絡んできた。


帰りが遅くなることもあったから、美織を家に1人にしてしまうことが増えていったんだ。


まだ小学生だったんだけど、泣かずに送り出してくれて、休みの日は3人で遊びに行ったりして。


構ってやれない寂しさを埋めてたんだ。だから、大丈夫だと思ってた。」