涼川の指差す方を見てみれば、にっこり笑ってこっちへ歩いてくる真矢の姿



またなにか頼んだんだろうな




「瞬ちゃん、挨拶に回りましょう?」



「1人でいい」



「婚約者はそばに置いておくものよ、瞬ちゃん」



「認めてねーから。来んな」




掴まれた腕を振りほどいて、1人親父の方へ向かう




「冷たいね」



「しつこいからキライ」



「じゃあずっとあぁなの?」



「そうだよ」



「めげないわね、彼女」




口元だけを緩めた涼川は、俺の斜め後ろで歩を止める