初恋の宝箱


しかし、二人が小学校へ上がると同時にまだ大学病院の勤務医であった尋の父親の転勤に伴い尋は引越しするハメに

「とーこ、俺のこと好き?」

尋が最後に道場へ来る日

尋は道場の隅に桃子を呼び出して尋ねた

「ひろはあたしより弱いから好きじゃない」

桃子の返事はあっさりしたものだった

このことがショックで尋は剣道を辞め、サッカーへ転身したのだ

そして運命の高校の入学式の日

クラス表に載る『佐倉 桃子』の文字に尋は心が踊った

まさかこんなところで再会するとは思っていなかった

14年前可愛かった初恋の相手は美人に成長しており、尋は2度目の一目惚れをしたのだ

*

「なあ、最近佐倉の奴おかしくないか?」

ファーストフード店でポテトをつまみながら尋はさつきにこんな疑問を投げかけていた

「おかしいって何が?」

さつきは尋が聞きいたいことがわかっていたが、あえて質問した