「あっ、知歌! おっはよ〜」 教室に1人でいるのは、中学からの友達の 村田真生(むらたまい)。 文芸部に入っていて、小説を書くのが 大好きな可愛い系女子。 童顔でツインテールの真生は、 余裕で中学生に見える。 「おはよ〜」 私も笑顔で返す。 真生の机の上には、原稿用紙の束。 きっと朝から小説の 内容を考えているのだろう。 邪魔するのも悪いし、 私は早々に「1−B」という プレートが掛けられた教室を出た。