「う〜っし、やるぞ〜!」 真生がラケットを振り回す。 真生もバドを選んでいたみたいだ。 私はコートに足を踏み入れた。 白いライン、目の前に立ち塞がるネット、 ネットの横の得点板。 意識が過去にトリップしかける。 顔をしかめる。 今は、思い出さなくていい。 思い出すな。 「ねぇ、知歌! 試合でやるようなスマッシュ打って!」 突然の真生の頼みにきょとんとした。 「取れないだろうけど、目の前で見たい」