横には、広原高校指定のブレザーを着た、 身長の高い男子が立っていた。 「穂高…いたんだ」 穂高龍斗(ほだかりゅうと)は私の言葉を 聞くなり、大きくため息をついた。 ―変なこと言った覚えないんだけど。 「雨の中屋上にいるんだ、 呆れるのも当たり前だろ」 そう言われて、私は改めて屋上を見渡す。 確かに、小雨が降っていた。 龍斗の髪にも雨は降り注いでいて、 天パが活性化していた。