「あのねぇ―――」

「うるせぇ女だな」



 私の後ろからの太い声に、彼女は目を丸くした。




「テメーじゃ話になんねぇんだよ。 広瀬連れてこい、広瀬!」



 私の後ろからひょいと顔を出したのは、さっきまで会っていた男の子で。

 その声は今まで聞いたことない声色で、私も目を丸くする。




「ちょっ えっ なんで小林君がいるの?!」

「うるさい。

 いいから早く連れて来いよ!」



 私にかまわず女の子を睨みつける小林君に私は言葉を失う。


 彼女は突然の出来事に戸惑ってるようで、さっきまでの勢いが無くなっていた。