―彼氏と彼女―





 彼女は一人話し続けると一呼吸置いて、私を上から下まで舐めるように見ると、


「あなたみたいなタイプ、初めてだわ」


 フフッと笑った。




 ……何だろ。 感じ悪いな。



 私が俯くと、彼女はクスクス笑いながら、


「あなた、白河高校でしょ?
 お勉強できる女の子がウチみたいな高校出入りしてて大丈夫なの?」



 ―――やっぱり。


 この子、悪意を持って私に声をかけたんだ。




 私は悔しくて、唇を噛んだ。



 女の子はそんな私の姿を見て一瞬笑顔が消えたけど。また溢れんばかりの笑顔になり、


「タカ君は今、特別授業受けてるの。
 彼の勉強の邪魔になるから帰ってくれないかな?」