―彼氏と彼女―






 彼はいつも周りに人がいた。




 茶色のフワフワ柔らかい髪が風に揺れて……いつも笑ってた。


 でも、彼の周りはいつも男の子ばかりで。女の子は寄せ付けなかった。

 だからか、付き合える事になって毎日一緒に帰ってたら、みんなは私がストーカーでもしてるんじゃないかと疑った。


 そんな彼だから、あの時女の子と二人でいるなんて有り得なくて。

 ましてや、腕を組んで歩くとか。本当に、有り得なくて。




 ……やっぱり、特別な子なんだよね。きっと……。





 もう今日何度目かの溜め息を吐くと、いつものコンビニ前に着いた。


 いつも待っててくれた彼はいない。