―彼氏と彼女―





「さっきの電話の奴なんなの?

 アイツが好きなのか?」

「違う…! 彼は」

「じゃあ二人で何してたんだよ。
 さっき一緒にいた奴だろ?電話の相手」



 よく分からなくなってきた。


 浮気の尋問を受けてるみたいな。

 ――でも。


 それは、私じゃないよね?




「彼は…小林君はお母さんの誕生日プレゼントの相談してきて……ただ、それだけだよ…!」


「……は? 母親のプレゼント?

 なんだ、それ。 気持ち悪ぃ」



 その言葉にカッとなった私は、初めて広瀬君を睨み付けた。


 それでも、彼は表情を変えない。