極度の人見知りで、自分から話したりするのが苦手で。その性格のせいか、高校生になってもクラスに馴染めず、ずっと友達が出来なかった。

 何かがあれば話したりするけど、こうやって放課後をクラスメイトと出掛けたりするのは初めてで、本当に、楽しかった。



 ……小林君のおかげかな。


 委員会が一緒だったからお互いの携帯を教えあって……それだけだったのに。

 小林君が、人と話す楽しさを教えてくれた。








 電車から降りて改札を抜けると、空はすでに月が出ていた。


 ………今日は疲れた。

 でも―――何かが吹っ切れたかもしれない。




 そんなことを考えながら、コンビニ前をいつもの癖で見ると、彼が、いつものように立っていた。