「そしたら―――」



 アナウンスが、小林君が降りる駅名を告げる。

 徐々にブレーキがかかる中、


「彼氏との別れも、少しは寂しさ半減するんじゃないか?」




 私は、俯いた。




















『次はー 松葉台ー』




 頭上から、特徴的な声のアナウンスが聞こえた。



 隣の小林君は、もういない。