「お母さん喜んでくれたらいいね」

「お袋なんでも喜ぶからなぁ」

「ふふっ 今日渡すの?」

「うん。 流石にこの大きさを隠すのは大変だろ?
 それに水やりもあるしな」



 二人で揺られながら乗る電車が、なんだか心地良くて。

 このまま帰るのが寂しいと思うようになっていた。





「沙智はさ、学校でもそのくらいにハキハキ喋ればいいじゃん」


 少しの沈黙の後、小林君は私に言った。



「……でも…」

「もう少しで一年だぞ?
 お前勿体ないよ、喋らないと。
 だって今日なんかすげー普通に喋れたじゃん!

 今日みたいな感じで女子とも普通に喋ればいいんじゃない?」