「タカ君、あの子達知り合い?」



 女の子も私達に気付いて広瀬くんの腕を不思議そうに引っ張ると、彼は何も言わず、私達の横を通り過ぎて行った。


 彼女の手は、彼の腕に置かれたまま。




「もしかして地元の友達?
 あの彼女」


「違う…」


「あ、じゃあ彼氏の方か?」


「違う」



 あ?と小林君は私を不思議そうに見下ろす。

 私は小さくなる彼の後ろ姿を見ながら、


「私の彼なの」


 消えてしまいそうな声で伝えた。



「は? えっ? ええ??」


 私と彼を交互に見る小林君。