―彼氏と彼女―





「そうと決まれば、早く行こう?
 今度は鉢も選ぶんだから!」


 本棚に本を戻すと、すぐさま下駄箱まで急いだ。

 小林君はあまりの展開の早さに着いて来れないみたいで。


「宮田……お前ってそんなにキビキビしてたっけ?」


 ブツブツ後ろで何か言っていた。







 私は今日広瀬君と帰れなくなって、寂しかったんだと思う。


 帰りに逢えなければ、声も聞くことも出来ない。

 ……メールなんて出来やしないし…。


 だから、小林君とこうして一緒にいる事で気を紛らわせていたんだ。