うーん…。怖い人に贈る花ってなんだろ?



 私が頭の中でぐるぐる考えてると、隣の小林君はしゃがんで、


「よく怒るけど……同じくらいよく笑う。

 とにかく、すげー明るいの。喜怒哀楽が激しいっつーか。
 お袋がいると家中あったかくなってさ。家族みんなリビングから離れねーの」


 そう言って、花壇の小さな花をつついた。



 ――――そうだ!



「小林君! まだ時間大丈夫?」



 私の興奮した姿に目を丸くしながら「大丈夫」と言った彼。

 私は座っている彼の腕を掴むと、何も言わず、スタスタと校舎に向かった。