俺はゆっくり彼女を支えながら地面に座り込むと、彼女を横向で膝に座らせた。





「沙智……そのままで聞いて?」


 まだグッタリしてる彼女は、小さく頷くだけ。

 それを確認して、俺は話し始めた。







「うちは父さんがずっと単身赴任で家を空けてて、母さんと二人で暮らしてきたんだ。

 それが、俺が中学2年の時に母さんが倒れて……それからは入退院を繰り返してたんだけど」



 ……俺の話を静かに聞いてる彼女のおでこにキスをした。



「大きな手術をするために病院を変わることになって……」


 ――瞬間。

 彼女の体に力が入った。