―彼氏と彼女―





 でも、そんな事を感じさせないように淡々と了承すると、俺はそのまま帰った。

 本当は今日から一緒に帰っても良かったんだけど……病院に行く日というのもあり、今日はやめておいた。


 明日から一緒に帰ればいい。





 病院に行くと、自分でも分からなかったけど、何故かいつもよりも笑顔が多かったらしく、

「何か良いこと合った?」

 なんて母親に何度も聞かれた。


 良いこと……特に思いつかなかった俺は、「別に」と言ったけど、もしかしたら俺はこの時浮かれていたのかもしれない。






 それからは、毎日出来る限り一緒に帰り、受験勉強を手伝ってもらった。


 彼女は想像とは違い、表情豊かで。俺は知らず知らずのうちに、彼女を目で追っていた。