―彼氏と彼女―





 彼女は頭をブンブン振りながら、



「わ、わたし、英語と国語得意だから!

 ……任せて!」



 真っ赤な顔で手をグーにしてやる気を表現する彼女を目の前に、俺は堪えきれず吹き出してしまった。



「じゃー、よろしく」



 同じクラスになって一年近く。

 こんな宮田を見るのは初めてで。
 俺はガラにもなく、誘いに乗ってしまった。






 彼女はきっと、他の女とは違うかもしれない。

 見た目で男を選んだり、感情的になったり、バカみたいに騒いだりはしないだろう、きっと。


 俺の中の“女子”に対する嫌悪感を全く感じさせない宮田に、俺は好感を持ち始めていた。