―彼氏と彼女―





「あっ…あの…っ」



 彼女を見ると、真っ赤な顔で一生懸命何かを伝えようとしてる。が、俺には分からない。

 困惑しながらも、彼女の言葉を待った。







「え、と……もし良かったら、私、勉強教えようか?」




 俺の思考が、停止した。






 彼女は自分の口から出た言葉に、何故か慌てているようで。
 ただの勢いで言ってしまっただけなんだと気付いた。

 ……のに。 何故か、



「マジで教えてくれんの?」



 気付けば、そんな事を言っていた俺。