―彼氏と彼女―





 向こうも俺に気づいたようで目が合う。……が、十二月にもなる今まで話したこともない奴だから、俺は大して気にせず、またプリントに目を向けた。

 すると、女も声をかけることもせず、どこかの席に向かった。













 ……マジで解けない。




 そういえば……。



 不意に振り向くと、女はまだいたらしく、何故かビクッと体を震わせ俺と目が合った。

 俺は気にせず女の名前を思い出しながら、


「なぁ、お前、頭良かったよな?」



 話しかけたけど、何かを落としたらしい女は、机の下に消えてる。


 返事は、無い。