―彼氏と彼女―





 なんだ、これ。


 軽い…てか、相当重いイジメじゃねぇか?








 それは、今日の授業中に起きた。





『広瀬君。君、残って最後までやりなさいね』



 国語のプリントを授業中に提出するはずが、俺は半分も解けなかった。

 そう。 何を隠そう俺は国語が一番苦手だ。




『〜〜君の気持ちになって答えなさい』


 答え……“知るか”


 書いたら、小学校の時の担任に辞書で頭を叩かれた。







「……だりー」



 上履きのかかとを履き潰し、ペタペタダルそうに歩く俺は、到底“受験生”には見えないだろうな……。