それから学校へ行くと、ずぶ濡れの俺をダチはみんなして笑った。 そりゃそうだよな。 明け方から降り続いてる雨の日に、傘も差さずに家を出るバカはいねぇよ、普通。 けど、何となく理由を言いたくなかった俺は、その日一日笑われながら過ごした。 たまに目を向けると、彼女はいつものように、廊下側の席で本を読んでいた。 それからは特に何の接点もなく、彼女と会話もしないうちにそんな出来事も忘れていった。 そして、あっと言う間に、受験生には辛い十二月に入った―――。 .