―彼氏と彼女―





 俺は、もっとも残酷な事をするんだ。これから―――




「……クーン……クーン…」



 ダンボールに子犬を戻すと、子犬は何となく空気で気づいたのか、悲しそうに鳴き始めた。




「……ごめんな」



 立ち去ろうと立ち上がって―――

 雨が降り続いてることに気付いた。








 それからの行動は、まあ、想像つくよな。


 傘を子犬にさしてやって、俺はずぶ濡れで学校に向かった。





 あの子は泣きながらも、傘をさしてやらなかった。

 それは、冷たいんじゃなくて―――…なんて考えてたら、いつの間にか学校に着いてた。