「うるさいだけだっつーの」



 誰だかもう忘れたけど、言ってた奴に取りあえず文句だけ言うと、大きく息を吐き、顔を洗いに部屋を出た。



 それからいつものように準備をして、いつもより20分早く家を出ると、そのまま学校へ向かった。






 学校への道すがら、早い時間のせいか、サラリーマンがたまに追い抜いていくだけで同じ学校の奴らには会わなかった。





「ク〜ン…」




 ………ん?





「キャン………ク〜ン…」





 ………子犬の鳴き声…?




 キョロキョロと声の主を探すと、公園に、ダンボールの中に捨てられたらしい子犬がいた。