―彼氏と彼女―





「絵里も色々やってくれたらしいな。

 その変身も絵里なんだろ?」



 ……バレてる…。



「あいつは高校で俺を待ち伏せする女に『私が彼女!』って諦めさせてたんだよ。
 俺も一々彼女いるって断るのもダルくて頼んでたんだ。

 そしたらあんな事になるし………」


 はぁー、と盛大な溜息を吐く彼に、私は一つの疑問を投げかけた。



「私の告白を……断ったのはどうして…?」



 私の質問に、いつもの顔で私を見つめる彼。


 私はもう、逸らさない。




「俺は、お前の気持ちが信じられなかった。

 俺を想ってくれてるって自信がなかった。

 俺自身に自信を持てないのに……このまま付き合っていても、同じ事を繰り返すと思ったんだ」