また考えにふけっていたらしい私に、いい加減苛ついた様子で私を見下ろす彼。 私は、大きく息を吸った。 「広瀬君。 ずっと、好きでした」 私の最後の告白だ。 「今でも……好きです。 彼女がいるのも知ってる。 迷惑なのも、分かってる。 だから……これが、最後にするから―――」 私は、右手を伸ばして、掌を広げた。 小さな手にちょこんと乗った、小さな箱。 それは、小林君がトイレに行ってる間に見つけた、甘くないチョコ。 .