茶色のブーツを履いて奥から出ると、お姉さんが可愛いと抱き締めてきた。



「やっぱり女の子っていいわぁ!

 見違えたわ♪」



 私を抱き締めていた手を離すと、上から下まで見て、笑顔でうんうん頷く。



「流石は絵里ちゃん!
 これならタカ君も惚れ直す――」

「ママ!」


 お姉さんは絵里さんの怒った声に、ビクッと体を跳ねらせる。



 私は頑張って笑顔を貼り付けて、


「ありがとうございます。でも……広瀬君とは、もう終わりました。今は絵里さんと付き合ってますから。

 私は次の恋のために、頑張ります!」



 ガッツポーズで宣言すると、お姉さんはフワリ笑って「頑張って」と言ってくれた。