―彼氏と彼女―






 プリントに答えを書くために目を伏せる彼。

 その度に揺れる長い睫毛に、私はときめいて仕方ない。






 そんな時間も、プリント一枚だとあっと言う間で。




「ぃよっし! 終わったぁ!」


 彼は伸びをしながらシャーペンを置いた。



「……お疲れ様」


 小さく言った私に、「ありがとな」って笑顔で言ってくれた。


 夢にまで見た笑顔に、私は固まってしまう。



「やべ! もうこんな時間だ!」


 時計を見て慌てて帰る用意をする彼。


 私は今までの二人の空気に逆上せたのか、少しして現状を思い出した。