冷たい私には、甘い果実を。

「んもぅっ!!!!何、怒ってんのよ…!」

春奇お姉ちゃんがぶつぶつと独り言のように、でも私に聞こえるように言っている。

「春奇~?どうしたの~?」

春心お姉ちゃんが、階段の下で山びこのように言った。

「春水がね~、何か知らないけど怒ってんのよ~!!!!!!」
「スカートの事でぇ~?」
「知らなぁ~い」

そうだよ。スカートの事でだよ。気付けよ、この鈍感。

「春水、出てきてよ!」
「なぜ?」

私は、聞き返した。

「なぜ?って…そりゃぁ…話す為よ!」
「何を?何を話すの?」
「色々な事!!!!!!」
「嫌だ。出ないからね。」

馬鹿じゃん。そんな、曖昧な理由で、私が部屋から出ると思ってんの?
本当、呆れる。何年、一緒に居るんだよ。

「はぁ~…。」

とうとう、諦めたのか、春奇お姉ちゃんが巨大な溜め息を、私の部屋の前に残して階段を下りて行った。