「もしもし?」
「もしもし、隼人?
今ねチャリ乗ってんの」

語尾にハートをつけ
いつもより声を
ワントーン高くした。
「危ないよ?
しおりはバカだから
気をつけろよ。」
隼人の優しさが嬉しくて
再びにやけてしまった。
今日何回にやけただろう
世間話をしているうちに
駅についた。
朝だから人が
いっぱいいる。
「駅ついたから切るね。」
「うん、分かった。
またメールする。」
電話を切り
軽くスキップをしながら
改札を抜けた。