桜の木の下で

「いよいよ、最後だな…」


辰巳が言う。


「ハァ…ハァ…、いよいよ…、最後だな…」


息を切らしながら僕は応える。


最終3ラウンドのゴングがなるまで、水分を口腔内に入れ濯ぎながら、今までの自分を思い返していた。





弱い自分…





逃げていた自分…





後ろ向きな自分…





愚かな自分…





そんなマイナスな自分を思い返した後、グローブを見る。





「頼む…勝たせてくれ…」


グローブに、そして天に向かって呟く。








そして…