桜の木の下で

辰巳のあの言葉が頭を過ぎる。


確かにボクシングには興味があり、辰巳キッカケでよくテレビとかで試合を見てたりしていた時もあった。


それが…


よりによって俺なんかに…





バイトの休憩中、休憩室にある鏡に向かってファイティングポーズをとってみる。


何とも無様な格好だろう…


次に、シャドーをしてみる。


これまた無様なシャドーに、思わず吹き出してしまった。





何を根拠に、僕になんかボクシングを勧めたのだろう。


辰巳の考えに、僕は頭を傾げる事しかできなかった。