沙紀だ

でも、もうあの小さくて頼りない沙紀じゃなかった


よちよち歩く小さな女の子を連れて、沙紀は手を振っていた



あぁ、沙紀変わったね

強くなったんだね



あたしは決して忘れない

君に恋したこと



夏が来る度
色を持ってあの花火と君の横顔を思い出すだろう



あの恋が次の恋の力になる


次はきっと男の子を好きになるからね


君を安心させたいよ





ずっとずっと君は大切な女の子なんだ









あたしはまず何を言おうかすこし迷って沙紀に歩み寄る