「君たちは自らが望んで、小児科に研修になったわけではないだろう。宮崎さんは何科に興味があって医者になろうと思ったんですか?」

宮崎はいきなり振られて、少し戸惑いつつも

「心臓外科です。」

としっかり答えた。
続いて永山も

「僕は内科です。」

と答えた。


伊藤はとてもにこやかな顔をしてこう言った。


「よかった。2人とも、小児科でとても勉強になると思うよ。」


カルテを開いた伊藤は、近くにあったソファーに腰かけ、研修医をこちらに座るように手をそっと導かせた。