「久美子が、昨日、病院に運ばれて、今、入院してる」


ウチは、おっちゃんの顔色を窺う。


明らかに見える、その動揺。


「な、な、何でや?何があったんや?」



「拒食症で、栄養失調寸前やった」


「………で、俺を呼び出して、俺に何か?」


「俺に何かって?よう言うな! 自分の胸に手を当てて、よう考えてみぃ! ウチが何にも知らんと思てんのか!」


おっちゃんの目は、急に気弱な子供のようになった。


おっちゃん…
それまでの自信はどこに行ったんや?


「久美子はウチの職場で、一緒に働いてる子やで……
おっちゃんのしてる事はな、レッドカードじゃ!」


おっちゃんは、下を向いてしまった。


「とにかく、お見舞いに行ったってや、
今のままやったら、
危ないとこまで来てるって、医者が言うてたわ、
おっちゃん、久美子を安心させたって……
ウチの事はええから」