直樹と別れてから家に帰ると、ばあちゃんは、たこ焼き屋の片付けをしていた。

「ただいま~」


「お帰り」



ウチは、スクールバッグを家に向かってほおり投げ、ばあちゃんの手伝いを始めた。


早く、用事を終わらせてばあちゃんに話したかった。


「たこ婆……あんなぁ後で聞いてほしい話しがあるねん」



「何や?
……お前が話しあるって言う時は、昔から、何か不吉な事がある前触れやからな」



不吉……ではないんやけど、ウチと直樹にとっては喜ばしい事なんやけど、ばあちゃんにとっては不吉な事なんかな?


低い昔ながらのテーブルで……ばあちゃんと向かい合わせの夕御飯時~


「何や?話しって?」


「びっくりせんといてな……
これは、考えに考えた末の事やねん」


「せやから何や?
前置きが長いなぁ~
はっきり言うてみい」


「ウチな、今な……
直樹の子供がお腹にいてるねん」


ウチは……下から上目遣いでばあちゃんを見た。