●私●


目を開けたら……
いったい、ここはどこなの?


この天井の模様は見た事がない。


私……ベッドの上で寝てんだ?


ここって誰の部屋?

うん?腕に点滴?


?布団に乗せてる頭って?


寝ている女性って?

この髪の色って、もしかして満月ママ?


……そう言えば……
昨日、仕事に遅刻して……
お客と喋っていた時……
記憶がそこで止まっていた。


病院に運ばれたんだ、私……


ママが、ママが、ここまで、連れて来てくたのね?
ううっ……ううっ……

いったい私って、何してんだろ、自分が情けないよ。


と、ママが目覚めた……
大きな目をパッチリ開けて、力強い瞳が私を捉えた。


「久美子?気付いたんか?大丈夫か?」


「ママ……私、ううっ、ううっ……また迷惑かけてしまって、ごめんなさい」


「泣かんでもええ、謝らんでもええよ、
それよりも、保険証の事とかあるし、親に連絡取りたいんやけど……実家の連絡先教えてくれるかな?」


「……………」