薄くなった財布を見つめ、胃がきりきり痛む。
ウチ……いったい、ばあちゃんに何て説明すればええんやろ?どうしよう?
キティとばあちゃんの顔が浮かんできて……涙が出てきた。
ごめん、ごめん、ごめんなぁ……キティに淋しい思いをさせ、ばあちゃんに苦労をかけて……。
たった数時間のおもろい時間代が、1ヶ月働いた給料分やなんて信じられへん。
何てウチは、アホな事をしたんやろ……
あれだけ、ばあちゃんに偉そうな事言うて入った世界やのに……
唇かんで泣いても泣いても、もうどうしようもない、お金は返ってけえへん……
悩んだ挙げ句の果て、ウチは店に前借を頼んだ。
¥100、000
それを、そのまま
ばあちゃんに渡した。
「たこ婆~ウチはまだ見習いやから、今月はこれだけやけど、来月には、この2倍か3倍にはなると思うから」
それからのウチは必死に働いた。
女の子の客は取られへんから、その連れを……枝って呼ぶんやけど、その枝を確実に自分の物にしていった。
せやけど……店に借りたお金の事もあるし、ウチはかなり焦ってたんや。
そこで……客と寝る事を覚えた。



