「タイマー押すぞ」

「はいはい」

父がカメラのタイマーを
つけ、母の元に駆け寄り赤ん坊を抱き上げた。
二人で赤ん坊を支える感じでカメラに笑顔を向けて。

赤ん坊もご機嫌で
キャッキャと笑っていた

多分…あの赤ん坊があたしなんだ。

あんなに楽しそうな父と母…


幸せな空気。


それが見てとれる。
あたしはその光景を見つめて、涙を零した。

それが…

悲しいからなのか

嬉しいからなのか

分からない。


でも、涙は溢れては零れていった。