あたしは部屋にいたはずなのに、いつの間にか暗闇に立っていて。

『駄目だ…』

あたしは今までの光景に
へこまずにはいられなかった。

その場に座り込むと目を閉じた。

「ゆみのお弁当へ〜ん」

その声に目を開くと
あたしは
学校の教室に座っていた

「本当だぁ」

子供のあたしが友達に囲まれ恥ずかしそうにうつむいてる。

高学年になると、部活があるから、土曜はお弁当だったっけ。

あたしは覗き込むようにお弁当を見た。

タッパーに煮物とヒジキ
黒豆にぶつ切り鮭。
ご飯に梅干し

同級生のお弁当は
可愛いお弁当箱に可愛いく切られた野菜やハンバーグ。
サンドイッチが
キャンディみたいに包まれていて

あたしのお弁当とは明らかに違った。

「なんで!ちゃんと作ってよ!」

後ろで声がして、振り向くと暗闇の中にあたしの家が見えた。

あたしはその方向に歩くと家に入った。